骨が少なくてもインプラントはできる?骨造成治療の種類・費用・注意点を解説
「骨が足りないため、インプラントはできません」
以前、歯科医院でこのように言われ、インプラント治療を諦めてしまった方はいらっしゃいませんか?
特に、
- 顎の骨が少ないと言われた
- 入れ歯しか方法がないと思っている
- 抜歯してから長い期間が経過している
- 歯周病で骨が減っている
- 過去にインプラントを断られた
という方でも、現在の状態を改めて調べることで、新しい治療方法が見つかる可能性があります。
現在では、GBR法やサイナスリフト、ソケットリフトなど、失われた骨を補う治療があります。そのため、骨が少ないという理由だけで、必ずしもインプラント治療ができないとは限りません。
今回は、骨が不足している場合に行うインプラント治療について、治療方法や費用、リスクまで詳しくご説明します。
インプラント治療には十分な骨が必要です
インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療です。
一般的なインプラントは、直径約4mm、長さ約10mm程度です。ただし、実際に使用するインプラントの大きさは、治療する部位や骨の状態によって異なります。
インプラントを安定させるためには、周囲に十分な骨が必要です。そのため、治療前にはCT撮影などを行い、次の点を確認します。
- 骨の幅
- 骨の高さ
- 骨の形
- 骨の質
- 神経や血管の位置
- 上顎洞までの距離
- 歯周病や炎症の有無
骨が足りない状態で無理にインプラントを埋め込むと、インプラントの一部が骨の外に露出したり、十分な安定が得られなかったりする可能性があります。
そのため、骨が少ない場合には、インプラントを支えられる環境を整えてから治療することが大切です。
なぜ顎の骨は減ってしまうのでしょうか?
患者さまから、
「昔は骨があったはずなのに、どうしてなくなったのですか?」
とご質問いただくことがあります。
顎の骨は、歯から伝わる噛む刺激によって維持されています。歯を失うと刺激が少なくなり、その部分の骨が少しずつ痩せていくことがあります。
特に、次のような場合は骨が大きく失われることがあります。
抜歯後、長期間そのままにしていた
歯を抜いた部分の骨は、時間とともに幅や高さが減少します。抜歯から長い期間が経過しているほど、インプラントに必要な骨が不足している可能性があります。
歯周病が進行していた
歯周病は、歯を支えている骨を失わせる病気です。重度の歯周病で歯を失った場合は、抜歯前から骨が大きく減っていることがあります。
歯の根に大きな炎症があった
根の先に膿がたまる病気や、歯根の破折などがあると、その周囲の骨が吸収されることがあります。
インプラント周囲炎が進行した
インプラントの周囲に炎症が起こると、インプラントを支える骨が失われることがあります。進行すると、インプラントを除去しなければならない場合もあります。
骨が少ない場合に行う「骨造成治療」とは
骨造成治療とは、インプラントを支えるために不足している骨を補う外科処置です。
骨が不足している場所や範囲によって、治療方法が異なります。代表的な方法には、次のものがあります。
- GBR法
- サイナスリフト
- ソケットリフト
- 抜歯窩保存術
- 骨移植
すべての方に同じ方法を行うわけではありません。CTで骨の状態を確認し、必要な治療を選択します。
GBR法で骨の幅や高さを増やす
GBR法は、「骨再生誘導法」と呼ばれる骨造成治療です。
インプラントを埋め込む場所の骨が薄い場合や、高さが不足している場合に行います。
GBR法の治療方法
GBR法では、骨が不足している部分に骨補填材などを入れ、その上を専用の膜やチタンメッシュで覆います。
必要に応じて、次のような材料を組み合わせます。
- 骨補填材
- 吸収性または非吸収性の膜
- チタン製の膜やメッシュ
- 固定用の小さなピンやスクリュー
- 患者さまご自身の骨
膜やメッシュによって骨を再生させるための空間を維持し、その中に新しい骨ができるのを待ちます。
骨の不足が少ない場合は、インプラントの埋入と同時にGBRを行えることがあります。一方、大きく骨が失われている場合は、先にGBRを行い、骨の回復を待ってからインプラントを埋め込みます。
GBR法が必要になるケース
- 顎の骨の幅が薄い
- インプラントの一部が骨の外に露出する
- 歯周病や根の病気によって骨が失われている
- 抜歯後の骨の吸収が大きい
- インプラント周囲炎によって骨を失っている
骨の状態によっては、骨が安定するまで数か月以上待つ必要があります。
上の奥歯に骨が少ない場合の治療
上の奥歯は、インプラント治療に必要な骨の高さが不足しやすい場所です。
上の奥歯の根の先には、「上顎洞」という空洞があります。歯を抜いた後に骨が痩せたり、上顎洞が下方に広がったりすると、インプラントを支える骨の高さが足りなくなることがあります。
このような場合に行うのが、サイナスリフトやソケットリフトです。
サイナスリフトとは
サイナスリフトは、上顎洞の下に骨を増やす治療です。
歯ぐきの側面から上顎洞に近づき、上顎洞の粘膜を慎重に持ち上げます。できた空間に骨補填材などを入れ、インプラントを支える骨を作ります。
サイナスリフトが選ばれるケース
- 上の奥歯の骨が大きく不足している
- 複数本のインプラントを入れる必要がある
- ソケットリフトでは十分な骨を確保できない
- 残っている骨が薄く、インプラントを安定させにくい
骨の量や初期固定の状態によっては、サイナスリフトとインプラントの埋入を同時に行う場合と、骨ができるのを待ってからインプラントを入れる場合があります。
ソケットリフトとは
ソケットリフトも、上の奥歯の骨が不足している場合に行う治療です。
インプラントを埋め込む穴から上顎洞の粘膜を持ち上げ、骨補填材を入れて骨の高さを補います。
サイナスリフトより処置範囲を抑えられる場合がありますが、適応できるのは骨の不足が比較的少ないケースです。
どちらの方法が適しているかは、CTで残っている骨の高さや上顎洞の状態を確認して判断します。
骨造成治療にかかる費用
神田ふくしま歯科における骨造成治療の費用は、次のとおりです。
- GBR法:220,000円(税込)/1回
- ソケットリフト:55,000円(税込)
- サイナスリフト:165,000円(税込)
- 術後の消毒・クリーニング:5,500円(税込)/1回
術後の消毒・クリーニングは、通常2~4回程度必要です。
骨造成治療は保険外診療です。また、インプラント本体、アバットメント、上部構造などの料金は別途必要になります。
実際の治療方法や費用は、骨の不足している範囲や使用する材料によって異なります。治療前にCT診断を行い、必要な処置と総額のお見積もりをご説明します。
インプラント周囲炎で骨を失っても再治療できる?
インプラント周囲炎によって骨が大きく失われ、インプラントを除去することになっても、骨再生治療を行うことで、再びインプラントを入れられる場合があります。
ただし、炎症が残っている状態で、すぐに新しいインプラントを入れられるとは限りません。
一般的には、次のような流れで治療を進めます。
- 炎症を起こしたインプラントを除去する
- 歯ぐきや周囲組織の炎症が落ち着くのを待つ
- GBR法などによって失われた骨を再生する
- 骨が安定するまで待つ
- CTで骨の状態を確認する
- 改めてインプラントを埋め込む
骨を大きく失っている場合は、治療期間が長くなります。また、骨がどこまで回復するかには個人差があります。
インプラント周囲炎から再治療した症例
治療前の状態
奥歯のインプラント周囲に炎症が起こり、膿が出ていました。さらに、インプラントを支える骨が大きく吸収され、歯ぐきも下がっていました。
炎症が進行していたため、インプラントを残したまま治療することが難しく、一度除去することになりました。
骨を再生する治療
インプラントを除去した後、約2か月待って歯ぐきの炎症が落ち着いたことを確認しました。
その後、骨補填材とチタンメッシュを使用したGBR法を行い、垂直的に失われていた骨の再生を図りました。
インプラントの再埋入
骨の回復を約8か月待ち、CTなどで状態を確認したうえで、新しいインプラントを埋め込みました。
患者さまのご希望により、今回は1本ずつ確実に機能させる方針で治療を進めています。
この症例の治療費
- インプラント除去:33,000円(税込)/1本
- GBR法:220,000円(税込)
- インプラントフィクスチャー:110,000円(税込)
- インプラントアバットメント:22,000円(税込)
- ジルコニアオールセラミック:77,000円(税込)
治療費は症例当時の内容です。骨の状態や使用する材料、インプラントの種類によって費用は異なります。
骨造成治療のリスクと注意点
骨造成を行えば、すべてのケースで必ずインプラント治療ができるわけではありません。
骨造成治療には、次のようなリスクや注意点があります。
腫れや痛み、出血が起こることがあります
骨造成は外科処置です。術後には腫れ、痛み、出血、内出血などが起こる可能性があります。
感染する可能性があります
処置した部分に細菌感染が起こると、骨補填材が十分に定しない場合があります。治療前に歯周病や歯ぐきの炎症を改善し、術後も清潔な状態を維持することが大切です。
骨が予定どおりにできない場合があります
骨の再生量には個人差があります。喫煙習慣、糖尿病、歯周病、全身状態、服用薬、術後の管理状況などによっても結果が左右されます。
膜や骨補填材が露出することがあります
術後に傷口が開き、使用した膜や骨補填材が露出する場合があります。露出の程度によっては、追加の処置や材料の除去が必要になることがあります。
サイナスリフトでは上顎洞に関する合併症があります
上顎洞粘膜の損傷、鼻出血、上顎洞炎などが起こる可能性があります。副鼻腔炎の既往がある場合は、事前の確認が必要です。
治療期間が長くなります
骨が再生して安定するまで待つ必要があるため、通常のインプラント治療より治療期間が長くなる傾向があります。
インプラント治療後はメンテナンスが重要です
インプラントには虫歯はできませんが、歯周病に似たインプラント周囲炎を起こすことがあります。
インプラント周囲炎が進行すると、せっかく作った骨が再び失われる可能性があります。
長く使用するためには、次のような管理が大切です。
- 毎日の丁寧な歯磨き
- 歯間ブラシやフロスの使用
- 定期的な歯科医院でのクリーニング
- 噛み合わせの確認
- 歯ぎしりや食いしばりへの対策
- 喫煙習慣の見直し
- 歯ぐきの腫れや出血の早期確認
違和感がなくても、定期的にインプラントと周囲の骨の状態を確認する必要があります。
「骨がないから無理」と言われた方へ
過去に骨が足りないと言われた方でも、現在の状態を改めて検査することで、インプラント治療を検討できる場合があります。
ただし、大切なのは、無理にインプラントを入れることではありません。
CTで骨や神経、上顎洞の状態を確認し、骨造成を行うメリットとリスクを比較したうえで、ご自身に合った方法を選ぶことが重要です。
状態によっては、インプラント以外の治療方法が適していることもあります。
神田ふくしま歯科の無料カウンセリング
神田ふくしま歯科では、インプラント治療や骨造成治療に関する無料カウンセリングを予約制で行っています。
カウンセリングでは、次の内容についてわかりやすくご説明します。
- 現在の骨の状態
- インプラント治療が可能か
- 骨造成治療が必要か
- GBR法、サイナスリフト、ソケットリフトの適応
- 治療の流れと期間
- 治療費のお見積もり
- リスクや他の治療方法
「骨が少ないと言われた」
「以前、インプラント治療を断られた」
「入れ歯以外の方法も検討したい」
という方は、一度現在の状態を確認してみてはいかがでしょうか。
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